
はじめに
職場復帰前の面談に不安を感じていませんか?「何を聞かれるのか」「何を話せばいいのか」と構えてしまう方も多いですが、面談は試験ではなく、“安心して戻れるための対話の場”です。
本記事では、面談で押さえておきたい5つのポイントを中心に、話す内容の整理、緊張を和らげるコツ、実体験を交えたNG例なども含めてお伝えします。
どんな人がこの記事の対象?
復職が近づいて面談を控えている本人
初めての復職面談を控えている方や、前回うまくいかなかった経験がある方に向けて実践的なヒントをまとめています。
何を話せばいいか不安な人、準備のコツが知りたい人
「面談=復帰の可否を決められる場」と捉えている方も多いですが、本来は“働き方のすり合わせ”をする機会。その視点を持つだけで緊張はかなり軽減されます。
面談の目的を知っておこう
「働けるかどうか」だけでなく「どう働くか」を話す場
体調の回復度を確認することだけでなく、「どんな条件なら働けそうか」を上司・産業医と共有する場です。ゴールは復職の判断ではなく、継続して働ける形を一緒に探すことです。
体調・業務内容・配慮事項を“共有”することが大事
復職後の無理や誤解を避けるためにも、「現時点で何ができて、何に不安があるのか」を正直に伝えることが、本人にも職場にもプラスになります。
面談で話すべき5つのポイント
① 今の体調・エネルギーの回復状況
「〇時には起きられている」「1日どれくらい活動している」など、生活の様子から自然に伝えると具体的でわかりやすくなります。
② 働くうえでの不安や懸念点
例えば「長時間座りっぱなしはまだしんどい」「電話対応が緊張する」など、正直な不安を共有しましょう。不安を口にすることは“弱さ”ではありません。
③ 配慮してもらいたい具体的な内容
例:短時間勤務/静かな作業場所/周囲への情報共有の範囲 など。具体的に伝えることで、会社側も対応を検討しやすくなります。
④ 自分で工夫していること・できること
「朝のリズムを整えている」「負荷が高いときは深呼吸して対応している」など、自分で意識していることも伝えてみましょう。
⑤ 周囲やチームとどのように関わっていきたいか
「最初は雑談だけでも嬉しい」「困ったときに相談できる雰囲気があると安心」など、人間関係の希望も立派な共有事項です。
NGな伝え方とその理由
面談では、期待と現実のバランスを見極めることが大切です。筆者自身、二度目の休職後に「この部署ではもう無理かも」と感じ、配置転換を依頼した経験があります。しかし、会社の組織構造や人事の事情など、どうにもならない現実が立ちはだかることもあるのです。
もちろん「こうしてほしい」という希望を伝えることは重要ですが、「きっと応じてくれるはず」と過度に期待しすぎると、希望が通らなかったときに大きな失望感や孤立感に繋がることがあります。会社も万能ではないという前提を持つことで、冷静なやりとりができるようになります。
「大丈夫です」だけで終わらせると双方の不安が残る
「大丈夫」と言い切ることで不安を見せないようにする方もいますが、実際に不安がある場合はそれを隠すのではなく、共有することが関係づくりの第一歩です。
「何も配慮はいりません」は本音でなければ逆効果
「もう迷惑かけたくない」という気持ちから、無理に元通りを目指そうとするのは危険です。本当のニーズを言葉にすることが、信頼にもつながります。
面談前にやっておくと良いこと
メモやメンタルログで「最近の自分」を可視化
最近の生活リズムや気分の波、やれていること/しんどかったことを記録しておくと、話すときに整理しやすくなります。
誰かにリハーサルしてもらう(話す練習)
信頼できる人に面談の練習をしてもらうのもおすすめです。話してみることで気づくことや、「これでいいんだ」という安心感が生まれます。
面談で緊張したときの対処法
話すことをすべて覚えようとしない
話す内容を完璧に記憶しようとするほど緊張が高まります。大事なポイントだけ頭に入れておき、あとはその場のやりとりに任せましょう。
「紙にまとめたものを持参」しても大丈夫
話すメモを作って持っていくのはまったく問題ありません。「うまく話せるか不安なので、メモを見てもいいですか?」と一言添えれば、むしろ誠実な印象になります。
よくあるQ&A
「無理に話さなくてもいい?」
言葉にしづらいことを無理に話す必要はありません。「今日はここまで話せました」と伝えるだけでも十分です。
「復帰を延期したいと思ったらどう言えば?」
「正直まだ自信がない部分がある」「もう少し生活を安定させてから復帰したい」など、率直に伝えてOK。延期は失敗ではなく“調整”です。
「上司と相性が悪いときはどうする?」
まずは産業医や人事担当者など“第三者”を通じて伝えるのが安全です。「上司が苦手」ではなく「安心して働ける環境を考えたい」という建設的な表現を意識しましょう。
まとめとエール
面談は“合否”ではない、“対話”の場
あなたを見極める場ではなく、どうすれば安心して働けるかを一緒に考える場です。「話してよかった」と思える面談になるように、準備していきましょう。
準備すること自体が「復帰への第一歩」
話す内容を整理する、紙にまとめる、気持ちを言葉にしてみる——そのプロセスそのものが、復職へのウォーミングアップになります。
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