復職診断書の必須条件とは?理解しておくべきポイント

1: 復職診断書の概要と目的

1-1: 復職診断書とは何か?

復職診断書とは、休職中の従業員が職場に復帰する際に、主治医がその回復状況を判断し「復職可能」と認めたことを示す書類です。
精神的な不調、特にうつ病などの場合、回復が外見から分かりにくいため、医師の判断を第三者の視点として証明する役割を果たします。

診断書には、「復職可能である」「配慮事項があるかどうか」「復職日」などが記載され、企業側が復職の可否を判断する重要な材料となります。

1-2: 復職における診断書の役割

復職診断書の役割は大きく分けて3つあります。

  1. 社員本人の体調が回復していることの客観的証明
     → 本人の「戻りたい」という気持ちだけでなく、医師の視点から見て業務に耐えられるだけの状態にあるかを確認できます。
  2. 会社側の安全配慮義務の補完
     → 企業は従業員の健康に配慮する義務があります。診断書があることで、「無理に復帰させた」といったリスクを避ける判断材料になります。
  3. 復職支援の具体的なスタートラインとなる
     → 産業医面談やリワーク支援、段階的復職(短時間勤務など)の検討も、診断書が提出された後に動き出すケースが多いです。

1-3: 復職診断書が必要な場合とは?

復職診断書が必要となるのは、以下のようなケースです:

  • 休職期間が一定期間を超えた場合(就業規則で定められていることが多い)
  • 精神疾患・メンタル不調など、外見から判断しづらい症状で休職していた場合
  • 会社が復職時に診断書の提出を求めている場合(人事や労務管理の観点)

特に、うつ病や適応障害などのケースでは、復職後の業務負荷が再発につながらないよう注意が必要なため、診断書による医師の見解が重要です。

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2: 復職診断書取得のタイミング

2-1: いつ提出するのがベストか?

復職診断書の提出時期は、企業の就業規則や人事担当者の指示によって多少異なりますが、一般的には「復職希望日の1〜2週間前」が目安とされています。

なぜなら、診断書の提出後に以下のようなステップがあるからです:

  • 産業医との面談日程の調整
  • 復職の可否を判断する社内会議
  • 配慮事項の確認(時短勤務や段階復職など)

これらには一定の時間がかかるため、ギリギリの提出では職場側が対応しきれない可能性があります。早すぎても直前に体調が変わることもあるため、1〜2週間前というタイミングがバランスの良い時期と言えます。

2-2: 診断書をもらうための最適なタイミング

診断書は主治医から発行してもらう必要がありますが、主治医の外来スケジュールや診断判断には余裕を持つことが重要です。

おすすめの進め方:

  1. まずは主治医に「復職を考えている」と相談する
     → 少なくとも診断書を提出したい2〜3週間前には、医師に意向を伝えておきましょう。
  2. 医師が復職可能と判断したら、次回の診察で診断書を依頼する
     → その場で発行してもらえる場合もありますが、後日渡されることもあります。
  3. 必要に応じて、企業側から診断書の「書式」や「記載してほしい内容」を共有する
     → 企業によっては独自フォーマットを求めるケースもあるため、事前に人事に確認しておくとスムーズです。

2-3: 間に合わない場合の対処法

やむを得ず診断書の提出が予定より遅れそうな場合は、早めに会社(人事担当や上司)に相談しましょう

以下のような対応が可能です:

  • 診断書が間に合わない旨をメールで事前連絡する
  • 提出期限を柔軟に調整してもらえるか確認する
  • 診断書のコピーや仮発行の利用を相談する

重要なのは、「連絡をためらわないこと」。

うまくん
うまくん

診断書が出ない=復職できない、というわけではありません。 状況を説明すれば、柔軟に対応してくれる企業も多いです。

3: 復職診断書のもらい方

3-1: 主治医への依頼方法

復職診断書は、自分の主治医に直接依頼する必要があります
まずは、通院時の診察の中で、「そろそろ復職を考えている」と医師に伝えましょう。そこで医師が復職可能と判断すれば、診断書の発行に進みます。

依頼の流れ:

  1. 復職希望日を伝える
     → 企業側との日程調整も視野に、ある程度の目安を伝えるとスムーズです。
  2. 企業から指定の様式があれば持参する
     → 一般的には自由書式ですが、企業によっては独自フォーマットがあることも。
  3. 具体的な配慮事項があれば相談する
     → 「段階的な復職を希望」「短時間勤務から始めたい」などの希望があれば、事前に共有しておくと、診断書にも反映しやすくなります。

3-2: 産業医との連携の重要性

診断書を出した後、職場復帰の最終判断を行うのは産業医や会社の人事部門です。
そのため、主治医と産業医の間での情報共有や認識のすり合わせがとても大切になります。

ポイント

  • 企業によっては、産業医面談を経てから復職の最終決定が下されるケースが多いです。
  • 主治医と産業医の判断に差が出ることもありますが、あくまで「連携して復職を支える」という視点が重要です。
  • 配慮事項や体調の変化について、本人がクッション役になる場面もあるため、自分の状況を言語化できるように準備しておくと安心です。

3-3: 診断書をもらう際の注意点

診断書の発行にあたっては、いくつか注意すべき点があります。

  • 診断書の内容をよく確認する
     → 例えば「勤務に支障なし」「業務軽減を要す」など、あいまいな表現だと職場との解釈にズレが生じやすいため注意が必要です。
  • コピーを取って保管しておく
     → 万が一のトラブルや、再提出が必要になった場合に備えましょう。
  • 自分の意思と診断書の内容が一致しているか確認
     → 「復職可能」と書かれていても、自分の気持ちがついていっていない場合は、遠慮なく再相談を。

また、医師が「まだ復職は難しい」と判断した場合は、その理由もきちんと聞いて、無理のないペースでの復職を再検討することが大切です。

4: 復職診断書の料金と負担

4-1: 診断書発行にかかる費用

復職診断書の発行には、基本的に自己負担の費用がかかります。
金額は医療機関によって異なりますが、おおよそ2,000円〜5,000円程度が一般的です。

中には、初診料や再診料とは別に**「診断書料」として明確に設定されているクリニックもあります**。
事前に受付や医師に確認しておくと、思わぬ出費に驚かずに済みます。

4-2: 医療機関での負担と助成制度

診断書に関しては、通常の医療保険(健康保険)の対象外になるため、全額自己負担です。
ただし、以下のような支援が受けられる可能性があります:

  • 自立支援医療制度(精神通院医療)
     → 通院の診療費(診断書代ではなく診察料)について、負担割合を軽減してくれる制度。
     → 診断書代には適用されませんが、治療全体の負担軽減につながるため、まだ未申請であれば検討をおすすめします。
  • 会社によっては費用補助がある場合も
     → 一部企業では、診断書代の一部または全額を会社が負担する制度があることもあります。
     → 就業規則や人事部への確認をしておきましょう。

4-3: 費用を抑えるための工夫

少しでも費用負担を軽くするために、次のような工夫ができます:

  • 複数の診断書を一度に依頼しないよう注意
     → 人事部、産業医、上司など複数部門から提出を求められる場合、コピー対応で済むかを確認しましょう。オリジナルを複数枚発行すると、費用もその分かかります。
  • 復職日が確定してから診断書を依頼する
     → 復職日が不確定のまま診断書を出すと、再発行が必要になり、2重の費用がかかる可能性があります。
  • 診断書の記載内容を人事とすり合わせておく
     → 医師に依頼する前に、「どのような内容が必要か」を会社側と確認することで、書き直しや追加記載による再発行を防げます。

5: 復職診断書のフォーマットと例文

5-1: 一般的な復職診断書のフォーマット

復職診断書に決まった全国共通の様式があるわけではありませんが、多くの医療機関では以下のような基本項目が含まれています:

一般的な記載項目:

  • 患者氏名
  • 診断名(例:うつ病、適応障害 など)
  • 病状の経過
  • 現在の症状と治療状況
  • 復職の可否(例:就労可能/段階的就労が望ましい など)
  • 復職可能日
  • 医師名/医療機関名・所在地/押印
  • (場合によって)配慮が必要な事項

企業によっては、独自の診断書フォーマットを用意しているケースもあります。
その場合は、人事担当者から指定用紙をもらい、主治医に持参するようにしましょう。

5-2: うつ病からの復職時の例文

実際にうつ病から復職する際、診断書には以下のような文言が記載されることがあります:

例文

診断書

上記の者は、うつ病により〇年〇月〇日より療養加療中でしたが、症状は安定しており、就労可能と判断します。

令和〇年〇月〇日より復職可能と認めます。

必要に応じて、勤務内容に配慮(例:短時間勤務等)することが望ましいと考えられます。

令和〇年〇月〇日
○○病院 精神科 主治医:○○ ○○ (印)


うまくん
うまくん

復職の可否と具体的な配慮の要否が簡潔に記載されるのが一般的です。

5-3: 職場復帰用の診断書に必要な記載事項

スムーズな職場復帰のために、診断書に記載してもらいたい項目は以下のとおりです:

復職の可否(明確に「復職可能」であるか)
復職可能な日付(復職予定日)
業務上の配慮が必要かどうか(例:時短勤務、段階的復職 など)
再発予防のための注意点があれば記載してもらうのも有効

うまくん
うまくん

企業の人事や産業医は、診断書をもとに復職支援計画や就業判断を行うため、
なるべく具体性のある内容にしてもらうことが大切です。

6: 復職診断書に関するトラブルと解決法

6-1: トラブル事例とその対策

私自身、復職診断書を出す際に戸惑ったことがいくつかありました。
特に印象に残っているのは、診断書の内容があいまいだったため、職場側と何度もやり取りすることになった経験です。

トラブル事例①:診断書の内容が曖昧すぎる

私の診断書には「就労可能。ただし無理のない範囲で」とだけ書かれていて、
具体的にどの業務ならできるのか、どの程度働けるのかが伝わらず、人事から「もう少し詳しい内容を書いてもらえませんか?」と言われました。

対策:
→ 医師に「短時間勤務から始めたい」「人とのやり取りはまだ不安がある」など、自分の状態や希望を伝えたうえで具体的に書いてもらうことが大切です。

トラブル事例②:診断書の提出が遅れたため復職日が延期に

正直、「いつ出せばいいのか分からない」という気持ちがあり、診断書を用意できたのが復職希望日の直前でした。
結果的に、産業医面談が間に合わず、復職は1週間延期に。ちょっとした行き違いでしたが、精神的にもかなりつらかったです。

対策:
→ 診断書を受け取ったら、すぐに会社に提出し、スケジュール調整に余裕をもたせましょう。
→ もし遅れそうなときは、早めに連絡することが何より大切です。

トラブル事例③:主治医と産業医の判断が異なる

主治医は「もう大丈夫ですよ」と言ってくれましたが、産業医の面談では「まだ慎重に進めた方がいいですね」と言われてしまい、混乱しました。

対策:
→ 主治医と産業医は、それぞれ違う立場から判断しているだけで、どちらが間違っているという話ではないと今では思います。
→ 産業医の提案を受け入れて、段階的に勤務時間を増やしていくスタイルに変更したところ、気持ちにも余裕ができました。

6-2: 人事部との効果的なコミュニケーション

復職時、人事部とのやりとりは緊張するかもしれません。私も最初はとても構えてしまって、「変に思われたらどうしよう」と心配していました。

でも、正直に「不安なことがある」「診断書にこう書いてあるけど、自分としてはこう感じている」と伝えたところ、とても丁寧に対応してもらえてホッとしたのを覚えています。

→ 相手も“どう支援すればいいか”を探っていることが多いので、遠慮しすぎず、言葉にしていくことが大切です。

6-3: 企業就業規則との整合性の確認

診断書の提出期限や書式など、**「会社によって全然違う」**というのが私の実感です。

私の勤務先では、**「復職希望日の10日前までに診断書提出」**というルールがあり、それを知らずにギリギリになってしまったことがありました。

教訓として:
→ 就業規則や人事部からの案内は、早めに確認してメモしておくのが大事
→ 分からないことは「聞きにくい」と思わず、確認したほうが結果的に自分を守ることにつながります

7: 復職後の診断書の取り扱い

7-1: 職場での効率的な対応方法

復職診断書は、提出して終わりではありません。提出後、会社側では以下のような対応が行われるのが一般的です:

  • 人事・上司・産業医などによる復職判断
  • 業務配分の検討(配慮事項の確認)
  • 必要に応じた復職支援制度の適用(時短勤務、リワーク制度など)

実際に復職した後も、診断書に書かれた内容をもとに、会社と本人が共に職場環境を整えていくことが重要です。

私の場合、診断書に「段階的な業務再開を望む」と書かれていたことで、最初の2週間は簡単な業務を中心に任せてもらえました。
無理せず少しずつペースを戻せたのは、診断書のおかげだったと感じています。

7-2: 支援体制を整える重要性

復職直後は、思っていた以上に疲れやすかったり、気持ちが不安定になったりしがちです。
そんなときこそ、会社側の支援体制や、自分で使えるリソースを把握しておくことが大切です。

あると安心な支援体制例:

  • 産業医との定期面談
  • 上司との1on1ミーティング
  • 勤務時間の調整やフレックスタイム制度
  • 外部のカウンセリングサービス(EAPなど)

私自身も、復職後の1ヶ月間は「週1回、産業医と面談を行う」と決めていました。
小さな不安も言葉にできたことで、メンタルの負担が軽くなりました。

7-3: メンタルヘルスへの配慮

復職してすぐに「元のパフォーマンスを出さなきゃ」と無理をすると、再休職につながるリスクがあります。

復職は“ゴール”ではなく、“再スタート”です。

  • 徐々に慣れていくことを自分に許す
  • 心身の変化に敏感になりすぎず、ゆるやかに過ごす
  • 必要に応じて再診やカウンセリングを活用する

私も、復職1週間後に「やっぱり少し早かったかも…」と感じたことがありました。でもそれを産業医に正直に話したところ、「その不安を感じられているのは、すごく大事な力ですよ」と言われて救われた思いでした。

うまくん
うまくん

メンタルの波は当然あります。
大切なのは、孤立しないこと、ひとりで抱え込まないことです。

8: 復職診断書取得に関するまとめ

8-1: 必要な手続きの確認

復職診断書は、うつ病などで休職していた人が再び職場に戻る際に必要な“再スタートの証”です。

まとめ

✅ まずは主治医と復職のタイミングを相談
✅ 企業側の指定フォーマットや記載内容を確認
✅ 復職希望日の1〜2週間前を目安に提出
✅ 産業医面談など社内プロセスに備える

上記のステップを押さえておけば、復職に向けた手続きはスムーズに進みやすくなります。

8-2: 復職診断書取得の重要なポイント

今回紹介した内容の中で、特に大切なポイントをまとめます:

🔸 診断書は単なる書類ではなく、職場との橋渡し役
🔸 主治医とのコミュニケーションがカギ
🔸 診断書の記載内容は、職場でのサポート体制にも影響する
🔸 診断書提出後の産業医面談や職場調整も含めて「復職準備」

私自身、診断書を通じて「無理のない復帰」を会社と共有できたことで、安心して戻ることができました。
あの一枚が、気持ちと職場の距離をつなぐ大切なステップだったと思います。

8-3: 今後の職場復帰に向けたプラン

診断書の提出は“スタートライン”です。
これからの復職生活を安心して送るためには、自分に合った働き方と支援体制を一緒に整えていくことが何よりも大切です。

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